公園のような果樹園に

　7年ほど前に、フルーツ作りに挑戦し始めました。初めは、フルーツトマトの繁忙期以外にも、関わってくれるスタッフの仕事をしっかり作りたかったことと、先代社長の「果樹をやってみたかった」というちょっとしたつぶやきがきっかけです。

　けれど、まちづくりに関わる話し合いの場にも参加するうち、大人と子どもが気兼ねなく集える場所が減っていることに気づきました。同時に、ちょうど試験的にフルーツを作り始めた果樹園のことを思い出しました。ここなら、車通りもないし、市街地から少し離れているので、子どもたちが自由に走り回れます。遊具がある公園ではなく、フルーツを介することで年齢関係なく家族みんなで楽しめる空間が作れるのではないかと思ったのです。

　町外の人を呼び込む大きな観光農園ではなく、地域の人のちょっとしたお出かけ先や、家族の憩いの場として、及川農園の果樹園を育てていきたいと思っています。

ブルーベリー

　及川農園では、8種類、400本のブルーベリーを育てています。

　メインの「ノースランド」は小粒で、寒暖差の激しい下川の気候にも耐える強い品種です。低木のためブルーベリー狩りでは小さい子どもたちの手も届きやすいところに実をつけます。

ハスカップ

　抗酸化作用のあるビタミンEを、たっぷり含んだハスカップ。かつては北海道のあちこちで自生していたという、寒冷地ならではのフルーツの一つです。及川農園のハスカップは野生種で、コクのある酸味が特徴です。

　生のハスカップはすぐに傷んでしまうため、本州に出回ることはほとんどありません。販売は冷凍でおこなっていますが、遠方にお住まいの方は、是非一度果樹園にお越しいただき、生のハスカップをお楽しみいただきたいと思っています。

及川農園の果樹は、日本中さまざまなスイーツ店で使われています。購入できるスイーツ店の一覧は以下をご覧ください。
・やない菓子舗
・MAISON GIVRÉE

ラズベリー

　町内の飲食店でも使っていただいている、ラズベリー。赤い実をつける苗木と、黄色い実がなる2つの品種を育てています。

　やさしい甘味と、あとから口の中に広がるさわやかな酸味がアクセントになり、やみつきになります。ブルーベリーの葉が紅葉するころに、実をつけ始めます。苗木の上の方に実がなるため、小さいお子様は親御さんの力を借りつつ収穫することができます。冷凍しておけばシーズンオフの冬や春も楽しめます。

モリイチゴ

　小粒のイチゴのモリイチゴ。和名はシロバナヘビイチゴです。

　仕事で関わりがあった方から育ててみないかという提案があり、試しに露地栽培に挑戦してみると専門家も驚くほどの成長ぶり。本来は山の中で根を張り実をつけるフルーツですが、野生の苗とはまったく違うたくましく育ちました。

　2020年以降は苗の数を大幅に増やし、高設栽培に注力していきます。

　モリイチゴは、香りが強いのが特徴。スイーツを作るとき、香りを際立たせたい時にはモリイチゴを少量使用すれば、豊潤な香りを楽しめます。